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光学式エンコーダの仕組み・種類・用途を徹底解説【図解付き】

光学式エンコーダは、機械やロボットの正確な位置・動きを測定する重要なデバイスです。本記事ではインクリメンタル型とアブソリュート型の違いや、構造・仕組み・用途・精度をわかりやすく解説。光学式と磁気式の比較や選び方のポイントも紹介します。

2026年4月4日
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光学式エンコーダの仕組み・種類・用途を徹底解説【図解付き】

光学式エンコーダは、機械部品の位置、回転角度、移動速度を高精度で測定できるデバイスです。CNC工作機械やロボット、モーター、さらには家電製品など、動きの正確な制御が求められる場面で幅広く利用されています。

光学式エンコーダとは?わかりやすく解説

光学式エンコーダは、機械的な動き(主に回転)を電気信号に変換するセンサーです。つまり、「軸がどれだけ、またどちらの方向に回転したか」を読み取る役割を果たします。

もっと簡単に言えば、位置エンコーダの一種であり、回転角度を検出する装置です。例えばモーターが回転すると、エンコーダがその動きを検知し、制御システムにデータを送ります。

  • 軸が回転する
  • エンコーダが動きを「見る」
  • システムが正確な位置データを取得する

この技術は、以下のような高精度が求められる分野で不可欠です:

  • CNC工作機械
  • ロボット工学
  • サーボモーターやアクチュエータ
  • 自動化システム

エンコーダがないと、たとえばロボットアームが正確な位置にパーツを配置したり、工作機械がミスなく加工したりすることは実現できません。

光学式エンコーダの仕組み

光学式エンコーダの基本原理は、光を利用して動きを読み取るというシンプルかつ高精度なものです。

内部にはパターン(スリットやマーク)が刻まれた回転ディスクがあり、一方に光源(通常はLED)、もう一方にフォトセンサーを配置します。ディスクが回転すると、光がスリットを通って断続的にセンサーに届きます。

  • 光が通る → 信号が発生
  • 光が遮断される → 信号なし

この結果、一定のパルス列が生成され、システムは:

  • 軸がどれだけ回転したか
  • 回転速度
  • 回転方向

を判別できます。ディスクのマーク数が多いほど、より細かな動きが測定可能です。

光学式エンコーダの構造

光学式エンコーダは主に次の要素で構成されます:

コードディスク

最重要部品で、透明・不透明な部分や反射マークが配されています。回転することで光をパルス信号に変換します。

光源

多くはLEDが使用され、ディスクを通して光を照射します。

フォトセンサー

光を検出して電気信号に変換。「動きの読み取り」がここで行われます。

信号処理回路

取得したパルスをコントローラや制御システムが理解できるデータに変換します。

これらの組み合わせにより、わずかな動きも高精度で検出できます。

光学式エンコーダの種類

光学式エンコーダは大きく「インクリメンタル型」と「アブソリュート型」に分かれます。それぞれの仕組みや用途に違いがあります。

インクリメンタル光学式エンコーダ

インクリメンタルエンコーダは「位置そのもの」ではなく「位置の変化量」を計測します。軸が回転するたびにパルス信号を発生させ、その数をシステムがカウントします。

  • ディスクが回転
  • パルス信号が発生
  • コントローラがパルスをカウント
  • 移動距離や角度を算出

また、位相の異なる2つの信号(A/B)で回転方向も判別可能です。

メリット:

  • シンプルな構造
  • 高速応答
  • コストが比較的安い

デメリット:

  • 電源オフで位置情報が失われる
  • 起動時に原点復帰が必要

主な用途:

  • モーター制御
  • 自動化機器
  • ロボット
  • 速度検出など、絶対位置が不要なシステム

アブソリュート光学式エンコーダ

アブソリュートエンコーダは、現在の軸位置を即座に把握できます。ディスクには特殊なコード(主にバイナリ)が刻まれ、各位置ごとにユニークな値が割り当てられています。

  • ディスク回転時にコードを読み取る
  • システムが即座に正確な位置を取得
  • 電源が切れても位置は保持

メリット:

  • 位置情報の消失なし
  • 起動時のキャリブレーション不要
  • 高い信頼性

デメリット:

  • 構造・回路が複雑で価格も高め

主な用途:

  • CNC工作機械
  • 産業用自動化
  • 高精度な位置決めシステム

インクリメンタル型とアブソリュート型の違い

両者の最大の違いは「位置検出方法」にあります。

  • インクリメンタル型: パルス数で移動量を検出。絶対位置は把握できず、移動分だけカウント。
  • アブソリュート型: 各位置に固有のコードが割り当てられ、常に正確な位置を取得。

主な違い

  • 位置情報の消失
    • インクリメンタル:電源断で位置情報が失われる
    • アブソリュート:常に位置情報を保持
  • 検出原理
    • インクリメンタル:パルスカウント
    • アブソリュート:固有コード読取
  • 精度と信頼性
    • インクリメンタル:高精度だが原点の管理次第
    • アブソリュート:常に安定した精度、誤差の蓄積なし
  • コストと複雑さ
    • インクリメンタル:シンプルで安価
    • アブソリュート:複雑で高価

用途によって選び方が異なります:

  • 動きや速度の検出が重要:インクリメンタル型
  • 常に正確な位置が必要:アブソリュート型

光学式エンコーダの主な用途

光学式エンコーダは、正確な動作制御や位置決めが求められる様々な分野で活躍しています。

産業分野・CNC工作機械

工具や部品の位置をリアルタイムで制御し、金属や木材などの精密加工を可能にします。

ロボット工学

関節やマニピュレーターの動作を正確に制御し、複雑なタスクを実現します。

電動モーター・アクチュエータ

サーボモーターではフィードバック制御に不可欠で、軸の回転量に応じて自動補正が行われます。

家電製品

ボリューム調整やプリンター、マウスなど、日常的な電子機器にも利用されています。

また、近年のセンサーや小型デバイスの文脈では、 「MEMS:最新技術と応用事例」 の記事も参考になります。MEMSセンサーやエレクトロニクス分野での役割について詳しく解説しています。

光学式エンコーダの精度とその要因

エンコーダの精度は、位置や動きをどれだけ正確に測定できるかを決める重要な指標です。

主な精度要因

  • 分解能: 1回転をいくつのパルスに分けられるか(例:1回転で1000パルスなら1000ポジションを区別)
  • コードディスクの品質: 加工精度が高いほど信号が安定し、欠陥があると誤動作の原因に
  • 光学部品・フォトセンサー: センサーの感度が高いほど精度向上
  • 回転速度: 高速回転時も信号処理回路が追従できるかが重要
  • ノイズや汚れ: 粉塵や油、振動は光路を妨げるため、クリーンな環境が必要
  • 信号処理回路: ノイズ除去や補正アルゴリズムの質も大きく影響

同じ分解能でも、実際の動作環境によって精度には差が出ます。

光学式と磁気式エンコーダ、どちらが優れている?

エンコーダ選びでよく比較されるのが「光学式」と「磁気式」。それぞれに強みがあります。

光学式エンコーダの特徴

  • 非常に高い精度
  • 高分解能
  • 信号が安定
  • 精密な用途に最適

磁気式エンコーダの特徴

  • 粉塵や汚れ、振動に強い
  • 過酷な環境でも動作
  • メンテナンスが容易
  • コストが安い傾向

根本的な違いは、

  • 光学式:光を利用
  • 磁気式:磁場の変化を利用

光学式を選ぶべきケース

  • 最大限の精度が必要
  • 清浄な環境で使用
  • 細かい動きの検出が重要

磁気式が向いているケース

  • 粉塵や厳しい環境下
  • 産業機械などの現場
  • 最高精度よりも信頼性重視

まとめ

光学式エンコーダは、現代の機械や電子機器において位置と動きを高精度で測定するためのキーデバイスです。機械の回転運動をデジタルデータへと変換し、制御システムが「今どこに、どのように動いているか」を把握できるようにします。

インクリメンタル型は動きや速度の検出に最適、アブソリュート型は常に正確な位置把握が必要な場面で活躍します。

光学式と磁気式、どちらが適しているかは使用環境や目的次第。高精度が求められるなら光学式、厳しい環境や信頼性重視なら磁気式を選ぶとよいでしょう。

仕組みや違いを理解すれば、産業用機械からコンパクトな電子機器まで、最適なソリューションを見つけることができます。

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