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Mass Effectシリーズ徹底解説:伝説のSF RPGとその進化

Mass EffectはBioWareが生み出した伝説的SF RPGシリーズです。本記事ではオリジナルトリロジーからAndromeda、リマスター版、そして新作情報まで、ストーリーやゲームシステム、評価・進化の歴史を丁寧に解説します。シリーズファンも初心者も必見の総まとめです。

2025年10月8日
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Mass Effectシリーズ徹底解説:伝説のSF RPGとその進化

Mass Effectは、カナダのBioWareスタジオが開発した、深いストーリーと繊細な世界観、選択が物語に大きく影響するシステムで知られる伝説的なSF RPGシリーズです。物語はキャプテン・シェパードの壮大な三部作から始まり、リマスター版『Mass Effect: Legendary Edition』やスピンオフ『Mass Effect: Andromeda』が登場。現在も新作の登場が待ち望まれ、熱烈なファンを魅了し続けています。

Mass Effect(2007)― シリーズの幕開け

Mass Effect(2007)のゲームカバーアート

2007年にXbox 360向けに発売された初代『Mass Effect』は、後にPCやPS3にも移植されました。前作『Knights of the Old Republic』の成功を受け、BioWareは独自の宇宙オペラの世界を創造。マイクロソフトがXbox 360の目玉タイトルとして開発を依頼したことで、映画のようなストーリーと対話を重視した壮大なRPGが誕生しました。

物語の舞台は22世紀の未来。人類は「マス・エフェクト」技術によって超光速航行を実現し、銀河社会と交流を開始します。プレイヤーは人類初のスペクターであるアライアンスの指揮官シェパードとなり、種族を超えた仲間と共に宇宙船ノルマンディーで銀河系を旅します。裏切り者サレンと古代機械種族リーパーの陰謀を暴くミッションが展開されます。バイオティクスやエンジニアリング能力を駆使したダイナミックな戦闘、惑星探査、MAKOでの移動、豊富なダイアログツリーによるストーリー分岐など、RPGファンを魅了する要素が満載です。

発売後、『Mass Effect』は商業的にも成功を収め、Xbox 360の販売を牽引。緻密なストーリーやキャラクター、グラフィックが高く評価され、多くの賞を獲得しました。一方、インベントリ管理やMAKOの操作に関しては賛否が分かれましたが、シリーズの礎を築き、BioWareの名声を不動のものにしました。

Mass Effect 2(2010)― シリーズの進化

Mass Effect 2(2010)のゲームカバーアート

2010年にPCとXbox 360向けに発売された『Mass Effect 2』は、シリーズのアイデアを大きく洗練しました。もともと三部作構想であったため、前作のセーブデータを引き継ぐことで、プレイヤーの選択がストーリーやキャラクターの運命にリアルに反映される仕組みが導入されています。

ゲームプレイはアクション性が増し、戦闘システムもよりダイナミックに進化。煩雑だったインベントリやMAKOでの探索は簡素化され、代わりに濃密なミッションや仲間の個別ストーリーが重要な役割を果たします。新たな仲間キャラクターが多数登場し、それぞれにロイヤリティミッションが用意。ストーリーは前作よりもダークで、シェパードが「サーベラス」と手を組み「コレクター」と対峙する壮大な旅が描かれます。クライマックスの「自殺ミッション」では、プレイヤーの判断によって生死が分かれ、物語性を高めています。

『Mass Effect 2』は批評家・ユーザーから絶賛され、数々のゲーム・オブ・ザ・イヤーやRPGオブ・ザ・イヤーを受賞。商業的にも前作を上回るヒットとなり、シリーズの地位を確固たるものとしました。

Mass Effect 3(2012)― 壮大な最終章

Mass Effect 3(2012)のゲームカバーアート

2012年3月にPC、Xbox 360、PS3で同時発売された『Mass Effect 3』は、シェパードとリーパーの戦いに終止符を打つ壮大な最終章です。開幕から銀河規模の戦争が勃発し、シェパードは全種族の力を結集して最後の戦いに挑みます。別れと再会、感動的なエンディングがプレイヤーを待っています。

戦闘システムはさらに洗練され、新たなアビリティや武器が追加。シリーズ初の協力型マルチプレイ「Galaxy at War」も導入され、シングルキャンペーンの進行度にも影響を与えました。前作からのセーブデータ引き継ぎも健在で、過去の選択が物語に反映されます。最後は地球を巡る壮絶な決断がプレイヤーに委ねられます。

『Mass Effect 3』はゲームプレイやスケール、感情的な物語で高い評価を獲得。しかし、オリジナル版のエンディングは分岐や過去の選択が十分に反映されていないと批判を浴び、ファンの抗議を受けて無料DLC「Extended Cut」が配信されました。その後も議論は続いたものの、シリーズとしては名実ともにRPGの金字塔となりました。

Mass Effect: Legendary Edition(2021)― 不朽の名作が現代に蘇る

Mass Effect: Legendary Edition(2021)のゲームカバーアート

2021年5月、『Mass Effect: Legendary Edition』が登場し、三部作が現代機向けにリマスターされました。すべての主要DLCを含み、シリーズを一気に体験できる決定版です。グラフィックは4K・HDR対応で、テクスチャやライティング、インターフェースも現代的に刷新されました。特に初代では戦闘やカメラ、MAKOの操作性が大幅に向上し、新規プレイヤーも違和感なく楽しめます。

あくまでリメイクではなく、オリジナルの雰囲気やストーリーを重視した丁寧なリマスターです。クリエイティブディレクターのケイシー・ハドソンも「原作の良さを最大限に活かしつつ、現代の快適さを提供すること」を目標としたと語っています。ファン・批評家ともに高評価を獲得し、シリーズの価値を再度証明しました。

Mass Effect: Andromeda(2017)― 新たな銀河と冒険

Mass Effect: Andromeda(2017)のゲームカバーアート

シェパードの物語完結後、BioWareはシリーズの舞台をアンドロメダ銀河へと拡大。2017年発売の『Mass Effect: Andromeda』は、オリジナルトリロジーから600年以上後の時代を描きます。複数の種族を乗せた「アーク船団」が新天地を求めて旅立ち、主人公は亡きリーダーの跡を継ぐ「パスファインダー」として、未知の世界を開拓します。

到着直後から困難が続出。行方不明となったアーク、過酷な環境、コロニー内の対立、謎のエネルギー現象「スカージ」や敵対種族ケットの脅威がプレイヤーに襲いかかります。プレイヤーは新世界の探索や開拓、古代文明「リミネント」の謎解きなど、多彩なミッションに挑むこととなります。

ゲームプレイ面では、従来のリニアな構造からオープンワールド寄りに転換。新型ビークル「ノマド」での惑星探索、スキャンや資源収集、装備クラフト、拠点設営など自由度が増しました。戦闘はジェットパックでの移動によって垂直性が増し、柔軟なプロファイルシステムで自由なスキル構成が可能です。仲間との会話やロマンス要素も健在ですが、全員新キャラクターとなっています。

しかし、開発の難航やリリース時のバグ、フェイシャルアニメーションの不自然さなどが大きな批判を浴び、ストーリーもオリジナリティ不足と評価されました。Metacriticでの評価も70点台にとどまり、前作に比べて期待外れとの声が多数。予定されていたDLCも中止となり、シリーズは長期休止へと入ります。『Andromeda』は新たな試みであったものの、多くの課題を残す結果となりました。

新作Mass Effect ― シリーズの未来

ファンにとって嬉しいことに、BioWareはMass Effectシリーズの継続を正式発表しています。2020年11月の「N7デー」には新作の制作開始が告知され、The Game Awards 2020では人気キャラ、リアラ・ティソニが登場するティーザートレーラーも公開されました。「Mass Effectは続く」というメッセージと共に、物語の新章が予告されています。

その後も2023年のN7デーでアンドロメダ銀河からの救難信号を含む謎のオーディオティーザーが公開され、オリジナルトリロジーとAndromeda両方のストーリーが絡む可能性が示唆されました。ティーザーには2819年という年代も登場し、今後の物語の時代背景が予想されています。

現時点(2025年)で正式タイトルや発売日は未発表ですが、プロデューサーのマイク・ギャンブルを中心に開発が進行中。まずは別プロジェクト『Dragon Age』新作が優先され、その後に本格的な体制でMass Effect新作の制作が加速する予定です。大規模なプロジェクトゆえ、リリースまで数年単位の期待が必要ですが、BioWareはAndromedaの反省も踏まえ、再びシリーズの栄光を取り戻すべく開発に取り組んでいます。

現時点ではコンセプトアートやティーザーのみが公開されていますが、ファンの間では旧キャラクターの再登場や新たな舞台設定など、話題が尽きません。Mass Effectシリーズはこれからも進化し、再びゲーマーを未知の宇宙へと導くことでしょう。今後の続報に注目です。

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