ソーシャルメディアのプライバシー対策は、現代においてアカウントと個人情報を守るための必須スキルです。SNSには写真や電話番号、やり取りはもちろん、時にはクレジットカード情報なども保存されており、これがサイバー犯罪者の格好の標的となっています。2024年から2025年にかけて、アカウントの乗っ取り被害は30%以上も増加。スパムや詐欺、サービス連携を悪用した資金窃盗など、被害も多様化しています。そこで、SNSのプライバシー設定やデジタル衛生習慣を身につけ、自分の情報を強固に守ることが非常に重要です。
VK(VKontakte)でプロフィールを非公開にする方法
VKはロシア国内で最も人気のSNSの一つで、狙われやすいサービスでもあります。公開範囲が広いプロフィールは、詐欺師にとって格好のターゲットです。以下のステップでプライバシーを強化しましょう。
-
個人ページを非公開に設定
「設定」→「プライバシー」へ進み、「基本情報の公開範囲」を「友達のみ」または「自分のみ」に設定します。
-
友達・フォロワーリストを非表示に
「プライバシー」で、誰が友達リストを見られるか選択。「自分のみ」推奨。これにより、なりすまし被害も減らせます。
-
投稿の公開範囲を制限
「誰が自分の投稿を閲覧できるか」を「友達のみ」に設定。個人的なメモには「自分のみ」を選びましょう。
-
アクティビティを隠す
「ゲーム・アプリでの活動」や「所属グループの公開範囲」を「誰も見られない」または「自分のみ」に。
-
ログイン履歴を確認
「セキュリティ」設定で二段階認証を有効にし、アクセスした端末も定期的にチェックしましょう。
ワンポイント: 特定の投稿だけを一部の友人に見せたい場合は、「友達リスト」を活用し、投稿ごとに公開範囲を設定できます。完全非公開よりも柔軟で便利です。
Telegramでプロフィールを非公開にする方法
Telegramは急速に普及し、チャットだけでなくビジネスやブログにも活用されています。しかし、初期設定では電話番号や写真、チャットリストが第三者に見られる可能性があります。以下の対策を講じましょう。
-
電話番号を非表示に
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「電話番号」で、「誰にも見せない」または「連絡先のみ」を選択。
-
プロフィール写真の公開範囲を限定
「プロフィール写真」の公開範囲を「友人のみ」に設定。
-
最終ログイン時刻を隠す
「オンライン状況」の公開範囲を「誰にも見せない」または例外指定。
-
グループ・チャンネルリストの保護
専用設定はありませんが、チャットのアーカイブ化や二段階認証で間接的に保護できます。
-
パスワードロックを有効に
「コードロック」や「二段階認証」を設定し、SIMカードが盗まれてもアカウントを守れるようにしましょう。
ワンポイント: 「プライベートフォルダ」や「シークレットチャット」を活用すると、大事なやりとりを他人に見られるリスクが減ります。
InstagramとFacebookのプライバシー設定
InstagramとFacebook(Meta傘下)は初期設定がほぼ公開状態のため、プライバシー保護の観点から設定の見直しが必須です。
Instagramアカウントの保護方法
-
アカウントを非公開に
「設定」→「プライバシー」→「非公開アカウント」を有効化。これで写真やストーリーは承認済みフォロワーのみ閲覧可能に。
-
コメント制限
誰がコメントできるかを「フォロワーのみ」や「特定の人」などに限定。
-
ストーリーの公開範囲を設定
「ストーリー設定」で、特定の人から非表示にできます。
-
ログイン履歴のチェック
「セキュリティ」から二段階認証を有効にし、不要なセッションはログアウトしましょう。
ワンポイント: 「親しい友達リスト」を使うと、ストーリーを限られた人だけにシェアでき、メインのプロフィールはオープンに保てます。
Facebookのプライバシー設定
-
プロフィールへのアクセス制限
「設定」→「プライバシー」→「投稿の公開範囲」を「友達」やカスタムリストに設定。
-
友達リストの非表示化
「誰が友達リストを見られるか」を「自分のみ」に。
-
写真・タグ付けの管理
「タイムラインとタグ」で、誰が自分の写真やタグを見られるか、タグの事前承認も有効化。
-
広告設定の見直し
「広告設定」でパーソナライズド広告をオフにし、情報漏洩リスクを減らしましょう。
ワンポイント: 「プライバシーチェックアップ」機能で、自分の設定を段階的に確認・強化できます。
TikTokのプライバシー対策
TikTokは若年層を中心に人気ですが、アルゴリズムによる情報収集や公開範囲の広さが課題です。以下の設定で安全性を高めましょう。
-
プロフィールを非公開に
「設定」→「プライバシー」→「非公開アカウント」で、承認済みユーザーのみがフォロー可能に。
-
コメント・メッセージの制限
「誰がメッセージを送れるか」を「友達」または「誰も」に設定。
-
お気に入り動画の非表示
「好きな動画を誰が見られるか」を「自分のみ」に設定。
-
デュエット・ダウンロードの制御
自分の動画が他人に使われないよう、デュエットやダウンロード機能をオフにしましょう。
ワンポイント: お子様が利用している場合は「ファミリー・ペアレンタルコントロール」を有効にし、閲覧や利用時間を管理できます。
SNSアカウントを乗っ取りから守る方法
設定を強化しても、弱いパスワードやフィッシング詐欺でアカウントが奪われるリスクは残ります。基本のセキュリティ対策を徹底しましょう。
-
サービスごとに違うパスワードを使う
すべて同じパスワードは厳禁。一つ漏れれば全て危険に。
-
二段階認証を有効に
VK、Instagram、Facebook、Telegram、TikTok全て2FAに対応。ログイン時にSMSや認証アプリのコードが必要です。
-
アクティブセッションを確認
- VK: 「設定」→「セキュリティ」→「アクティブセッション」
- Instagram/Facebook: 「セキュリティ」→「ログイン情報」
- Telegram: 「設定」→「デバイス」
- TikTok: 「セキュリティ」→「デバイス管理」
不明な端末はすぐにログアウトしましょう。
-
ログイン通知をONに
新しい端末からのアクセス時に通知が届くよう設定。
-
怪しいリンクはクリックしない
フィッシング詐欺は乗っ取りの主な原因の一つです。
ワンポイント: パスワードマネージャーを活用すれば、強力なパスワードの生成・管理や、漏洩時の警告も受け取れます。
さらにできるプライバシー強化のコツ
-
投稿の公開範囲を制限
主要SNSでは投稿ごとに公開範囲を設定可能。「親しい友達」リストを作り、個人的な写真は限定公開に。
-
ターゲティング広告とトラッキングをブロック
FacebookやInstagramの広告設定でパーソナライズド広告をオフに。ブラウザにはuBlock OriginやPrivacy Badgerなどのトラッカー対策拡張機能を導入しましょう。
-
連携アプリの見直し
VKやFacebookでは外部アプリがアカウントにアクセス可能。「設定」→「セキュリティ」→「アプリ」で不要な連携は解除。
-
位置情報の非公開
多くのSNSは写真に自動で位置情報を追加します。不要な場合はオフにしましょう。
-
古い投稿の整理
昔の投稿に個人情報が残っている場合も。定期的に見直して不要なものは削除を。
ワンポイント: 公開用の「サブアカウント」を作り、フォローやコメントはそちらで。メインアカウントは非公開・友達限定にして安全性を高めましょう。
まとめ
ソーシャルメディアは私たちの生活に欠かせない存在です。しかし、便利さと引き換えに、個人情報漏洩や詐欺のリスクも高まります。プロフィールを非公開にし、友達リストやコメントの制限、二段階認証などの基本的なセキュリティ対策を徹底することで、被害の大半は未然に防げます。
何よりも大事なのは「自分の情報は自分で守る」という意識。設定を定期的に見直し、安易な公開や連携を避け、不要な情報はどんどん削除しましょう。そうすることで、SNSは安心して使える快適なコミュニケーション空間になり、あなたの大切な個人情報もしっかり守られます。