ホーム/テクノロジー/Web3・Web4・Web5とは?違い・特徴・未来を徹底解説
テクノロジー

Web3・Web4・Web5とは?違い・特徴・未来を徹底解説

Web3、Web4、Web5はインターネットの進化を示すキーワードです。本記事では各世代の特徴や違い、主要技術、今後の展望を詳しく解説します。未来のインターネット像を理解するための基礎知識が身につきます。

2025年10月2日
10
Web3・Web4・Web5とは?違い・特徴・未来を徹底解説

Web3、Web4、Web5は、インターネットの進化を象徴するキーワードです。現在のインターネットは、初期の静的なウェブページから、ソーシャルネットワークやブロックチェーン、さらにデジタルアイデンティティやスマートテクノロジーが融合する未来型インターネットへと進化し続けています。本記事では、Web3、Web4、Web5の違いと特徴、その未来展望について解説します。

1. Web1、Web2、Web3とは

Web1:静的インターネット(1989~2004年)

  • 主にHTMLで作成された静的なウェブページ。
  • ユーザーは情報を「読む」だけで、編集や参加はほとんど不可。
  • ウェブサイトの作成は主に企業やプログラマーによって行われる。
  • 代表例:初期のYahoo!、ニュースポータル、個人ホームページなど。

特徴:一方向の情報提供。ユーザーは「読者」に限定されていました。

Web2:ソーシャルインターネット(2004年~現在)

  • ユーザーがコンテンツの消費者であると同時に、作成者にもなりました。
  • ソーシャルネットワーク(Facebook、Twitter、Instagram)、動画共有サイト(YouTube)、ブログ、フォーラムが登場。
  • 企業がユーザーデータを収集し、パーソナライズや広告に活用。

特徴:ユーザー生成コンテンツの拡大と、データのコントロールが企業側に集中した点が特徴です。私たちは投稿や写真をアップロードできますが、これらは大手プラットフォームのサーバーに保存され、プライバシー問題が顕在化しました。

Web3:分散型インターネット(2015年~発展中)

Web3は、Web2への批判から生まれた「所有のインターネット」とも呼ばれます。

  • ブロックチェーン技術と分散化が基盤。
  • ユーザー自身が暗号鍵でデータを管理。
  • 暗号通貨、NFT、DAO(分散型自律組織)が主要要素。
  • コーポレート支配がなく、ネットワーク参加者による分散管理。

例:写真をFacebookのサーバーに保存する代わりに、分散型のストレージ(例:IPFS)にアップロードし、アクセス権は暗号鍵でコントロールできます。

メリット:ユーザー自身によるデータ管理、仲介者なしの直接取引(銀行や決済システム不要)、DAOやDeFiなど新たな経済モデル。

デメリット:技術的ハードルが高く、スケーラビリティや速度の課題、規制の不透明さ。

  • Web1=読む
  • Web2=読む+参加
  • Web3=読む+参加+所有

Web3と分散化についてさらに詳しく知りたい方は、Web3と分散化:新技術がビジネスをどう変えるかをご覧ください。

2. Web4とは

Web3が分散型インターネットとして進化している一方で、Web4はまだ概念段階にある新しいビジョンです。「共生インターネット」や「感覚のインターネット」とも呼ばれています。

2.1 Web4の定義

Web4は、人間とテクノロジーがより深く統合されるステージです。Web2がインターネットをソーシャル化し、Web3が分散化を進めたのに対し、Web4はAIや機械学習によってユーザーのニーズやコンテキストを理解し、より「賢く」適応するインターネットを目指します。「セマンティックウェブ」とも呼ばれ、情報の意味や文脈をAIが把握できる仕組みが特徴です。

2.2 Web4の主要技術

  1. IoT(モノのインターネット):都市や家庭の至る所にスマートデバイスが普及。
  2. AI:データ解析やパーソナライズを担う人工知能。
  3. AR/VR・メタバース:物理世界とデジタル世界の融合。
  4. 5G/6G通信:超高速・低遅延のネットワーク。

2.3 Web4の利用例

  • スマートシティ:交通、環境、エネルギーなどが統合管理。
  • パーソナライズサービス:ユーザーの位置や気分・習慣まで理解し最適化。
  • ARグラス・メタバース:現実とデジタルがシームレスに連携。
  • 未来の医療:リアルタイムで健康状態をモニタリングし即時診断・通知。

Web4の本質:分散化よりも、人間とテクノロジーのシナジーにフォーカスしています。

3. Web5とは

Web5は、Twitter創業者でBlock社(旧Square)を率いるジャック・ドーシーによって提唱された、最先端のインターネット構想です。

3.1 Web5の発案者

2022年、Block社のTBD部門がWeb5プロジェクトを発表。数多くのスタートアップがWeb3を推進する中、Web5はビットコインと分散型アイデンティティ(DID)を基盤とする「次の一歩」として提案されました。

3.2 なぜWeb5なのか?

ドーシー氏らは、Web4は中間段階に過ぎず、Web3でもユーザーのデータとアイデンティティ管理の課題は解決していないと指摘。
Web2+Web3=Web5という論理で、ソーシャルインターネット(Web2)と分散型インターネット(Web3)の融合を目指しています。

3.3 Web5の主要アイデア

  1. 分散型アイデンティティ(DID): 企業や国家に依存しないデジタルID。
  2. ユーザーデータの自己管理: データはサービスに「貸す」ものではなく、ユーザー自身が保管し、自由に提供先を決められる。
  3. 仲介者不要のアプリ: データをサーバーにコピーせず、直接ユーザーとやり取りする分散型アプリ。
  4. ビットコインを基盤: Ethereumなど複数のブロックチェーンを使うWeb3と異なり、Web5はビットコインインフラに依拠。

3.4 Web5とブロックチェーン

  • ブロックチェーンは認証や信頼構築を目的に利用。
  • 主眼はユーザーがデジタルアイデンティティと情報の本当の所有者になる点にあります。

3.5 Web5の応用例

  • データが自分の端末に保存される分散型SNS。
  • 銀行を介さず直接送金できる支払いシステム。
  • 資格証明書・医療カードなどをまとめた個人用デジタルウォレット。

Web5の特徴:Web3が資産管理(トークン、NFT)に、Web4がテクノロジー統合に軸足を置くのに対し、Web5はデジタルアイデンティティとプライバシーの完全なコントロールを目指しています。

4. Web3・Web4・Web5の比較

特徴Web3Web4Web5
基本コンセプト分散化とブロックチェーン人間とテクノロジーの共生デジタルアイデンティティとデータコントロール
主要技術ブロックチェーン、NFT、DAO、DeFiAI、IoT、AR/VR、5G/6GDID、ビットコイン
データの管理者部分的にユーザー(ブロックチェーン経由)企業+スマートサービス完全にユーザー自身
応用例暗号通貨、分散型金融、NFTスマートシティ、メタバース、医療、AR/VRサーバーレスSNS、デジタルウォレット、プライベート通信
発展段階既に実用化(Ethereum、DeFi等)概念段階、初期導入事例Block/TBDによる構想、初期実験段階

4.1 Web5とWeb3の違い

  • Web3はデジタル資産(トークン、NFT)所有が中心。
  • Web5は個人データとアイデンティティの所有がテーマ。
  • Web3アプリは中央集権要素(取引所、ストレージ)を残す場合も多いが、Web5は完全なユーザーコントロールを志向。

4.2 Web5とWeb4の違い

  • Web4はAIやIoT、ARなどの技術的融合に重点。
  • Web5は分散化とプライバシーを重視。
  • Web4は中央集権的なスマートサービスが多い一方、Web5は仲介者排除が目標。

つまり、Web3・Web4・Web5は「バージョン」ではなく、異なる未来像を提示しています。

5. 応用例と今後の展望

5.1 Web3の現状

  • 暗号通貨(ビットコイン、イーサリアムほか多数)
  • DeFi:分散型金融(Uniswap、Aaveなど)
  • NFT:デジタルコンテンツの所有権証明トークン
  • DAO:ユーザー主導の分散型自律組織

Web3の今後:分散型SNS、新しいデジタル所有権の形、仮想通貨の規制と金融システムへの統合が進むと見られます。

5.2 Web4の可能性

  • スマートシティ:交通流解析、環境監視、スマート照明
  • 医療:IoTデバイスによるリアルタイム健康データ送信
  • 教育・AR/VR:バーチャル教室やシミュレーター
  • メタバース:現実とデジタルの融合体験

Web4の展望:ARグラスの普及、IoTの完全統合、AIと日常生活の共生がキーワードとなります。

5.3 Web5の未来

  • 個人データが企業に渡らない新世代SNS
  • ユーザーのみがアクセスできるプライベートメッセンジャー
  • パスポートや学位証明書、医療カードのデジタルウォレット化
  • 仲介者不要の分散型金融システム

Web5の展望:デジタルアイデンティティやプライバシーへの関心拡大、ビットコイン等の分散型基盤を活用したサービスの進化、2020年代後半には具体的なWeb5サービスの登場が期待されます。

まとめ

  • Web1は「読む」だけの時代。
  • Web2はソーシャル化でユーザーがコンテンツを創出、しかしデータは企業のものに。
  • Web3は分散化とブロックチェーン技術により資産所有を推進。
  • Web4はIoT、AI、AR/VRによる人間とテクノロジーの共生を目指す。
  • Web5はデジタルアイデンティティと個人データの完全コントロールを重視。

要点:Web3、Web4、Web5は直線的な進化ではなく、異なる未来像を提示する概念です。今後は各世代の要素が融合し、新たなインターネット像が形成されていくでしょう。

よくある質問(FAQ)

1. Web5とは簡単に言うと?
ユーザーが自分のデータとデジタルアイデンティティを完全に管理し、仲介者や企業サーバーなしでアプリケーションを利用できる未来型インターネットの構想です。
2. Web5を考案したのは誰?
Twitter創業者でBlock社のCEOであるジャック・ドーシーが、2022年にTBD部門を通じて提案しました。
3. Web3とWeb5の違いは?
Web3はブロックチェーンによるデジタル資産の所有にフォーカスしていますが、Web5は個人データとデジタルIDの所有・管理を重視します。
4. Web5とWeb4の違いは?
Web4はAIやIoT、AR/VRなど技術の共生・融合、Web5はプライバシーや分散化、個人データのコントロールに着目しています。
5. Web5はブロックチェーンを利用していますか?
はい。Web5の基盤はビットコインインフラと分散型アイデンティティ(DID)です。
6. 2025年時点でWeb5の実用サービスはありますか?
現時点ではWeb5は概念段階ですが、ビットコインを基盤にしたデジタルIDや分散型アプリの開発が進められています。大規模なサービスはまだ登場していません。
7. 今後どれが主流になる?Web3、Web4、それともWeb5?
今後は分散化(Web3)、技術の共生(Web4)、アイデンティティ管理(Web5)など、各要素が共存し融合していくと予想されます。

タグ:

Web3
Web4
Web5
分散型インターネット
AI
ブロックチェーン
デジタルアイデンティティ
IoT

関連記事